日本睡眠学会総合睡眠専門医・日本呼吸器学会呼吸器専門医の栁原 万里子(やなぎはら まりこ)と申します。新橋~虎ノ門~霞ヶ関という日本屈指のビジネスエリアで睡眠医療の視点から診療をいたしたく、2022年11月に虎ノ門にて開院をいたしました。睡眠と咳にお悩みの皆さまにとって物理的にも心理的にも立ち寄りやすい、利便性に優れたクリニックを目指して参ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
約20年間医師として勤務するなかで、日本の睡眠の問題が個人の健康や社会へ及ぼす悪影響の大きさに気付かされました。睡眠には形がないため、臓器別に区分された診療科のなかで睡眠のお悩みはぴったりと当てはまる診療科がありません。
たとえば過眠症やむずむず脚症候群、レム睡眠行動障害、概日リズム睡眠・覚醒障害などのまだ広く知られていない睡眠障害については、精神科でも小児科でもほとんど診療されておらず、診断や治療の機会を失ってしまう方々がおられます。
一方で不眠症については、日本では専門医に限定されずに何科の医師でも睡眠薬の処方が可能なため、諸外国と比べて治療開始のハードルは低いといわれています。その反面「薬剤を用いない不眠症治療」や「睡眠薬の減薬・中止」といった専門的な手法が用いられないまま長期間にわたり複数の睡眠薬が漫然と処方されてしまうケースが見受けられ、転倒や睡眠薬依存、認知症リスクが問題視されています。
睡眠時無呼吸症候群については、呼吸器内科・循環器内科・耳鼻咽喉科・歯科など幅広い診療科で取り扱われています。この疾患の治療の目的は、二つあります。一つ目は眠りを妨げる呼吸の問題を解決することにより、集中力や判断力、体調といった「日中のパフォーマンスを回復させること」。二つ目は高頻度に合併する高血圧・糖尿病などの生活習慣病を改善させ脳梗塞や心筋梗塞、不整脈、認知症といった「将来の健康寿命をおびやかす疾患のリスクを減らすこと」です。
しかしながら治療開始後にも残存する眠気や、合併する生活習慣病の診断・治療は必ずしも並行して行われているわけではありません。
わたしたちは小さなクリニックのため社会的に微力ではありますが、睡眠専門医・呼吸器専門医の2つの専門性と経験を活かし、お悩みの健康的な解決に尽力をいたします。必要時は近隣の各診療科の専門医の先生方と連携し、ご縁をいただきました皆さまの健やかな毎日とリタイヤ後まで見据えた健康寿命をご一緒に守りたいと考えています。